大騒動!FX投資塾詐欺に巻き込まれた話 第2話 「22億円トレーダーの住処」

龍聖

FX龍聖

~第1話のあらすじ~

FXド素人、若かりし日の龍聖が一人のFXトレーダー兼ブロガーと出会う。

 

そのトレーダーの名は「Z氏」

 

初歩的な質問にも丁寧に答えてくれて、大変お世話になった人物である。

彼のブログの元にはたくさんの人々が集う様になっていた。

 

そのZ氏自身が、一人の人物との出会いを果たし、衝撃を受ける。

その人物とは、FXで莫大な資産を築き上げたと公言する男だ。

その金額たるや22億円だという。

 

その男の名は「Mr.フラワー(仮名)」。

 

行動派のZ氏は、
フラワー氏からトレードの手ほどきを受け、
トレーダーとしての修行を積むと共に、

「フラワーFX投資塾」
の役員として役目を担うべく、

関東圏からはるばる、
フラワー氏が住む福岡への移住を決意する。

 

Z氏のサイトに集まる面々が
固唾を飲んで見守る中、

「フラワーFX投資塾」

が展開され、その塾の全貌が明るかになっていく・・・!

 

第1話をまだ読んでいない方はコチラ!

大騒動!FX投資塾詐欺に巻き込まれた話 第1話 「トレーダーZ氏の決意」

 

フラワーFX投資塾の概要

Z氏は私もファンだったし、多くの人が集っていた事も十分納得できる程の人柄の持ち主でした。

人々のリスペクトを集めていたと言っても過言ではないでしょう。

そんなZ氏が福岡に移り住んでまでも「フラワーFX投資塾」の運営に携わる、というもんですから、当然の如く、みんな期待していました。

そんな中、コミュニティ内でその塾の案内がアナウンスされる。

塾では、主にスキャルピングを教えるというものでした。

▼スキャルピングとは・・・

超短期売買の事。

狭い利幅を狙うため、チャンスは多く、極めれば最も資金効率が高い取引手法と言われている半面、

スプレッド(証券会社側の手数料の様なもの)の割合が高くなるため、一般的には難易度が高い取引スタイルとされている。

 

ちなみにZ氏によるFX投資塾の案内は以下の様なキャッチコピーだったと記憶しています。

 

「スキャルで日利2%を目標にトレードし、複利運用させて一年間で100倍以上の資産を築きましょう!」

との事。

 

とにかく、

「1日2%」

というのが印象的でしたね。

 

1日2%の利益確定は、現在進行形で取引している感覚では、

頑張れば達成できそうな数字な様に思えてくるから不思議

です。

 

本来、あり得ない数字なんですけどね(^^;)

だって、年利10000%ですよ?

 

しかしながら、一日2%の利益を得るという事は、レバレッジ10倍のトレードで1日20PIPS取れればノルマ達成となります。

10万円資金であれば2%の利益確定をして2000円取れれば良い。

なんだか、できる様な気がしてくるんですよねえ。

▼PIPSとは・・・

クロス円(ドル円など、円絡みの通貨ペア)では1PIPS=1銭。

10万円資金においてレバレッジ10倍(1万通貨取引)で1PIPS=100円となり、
20PIPSの差益で2000円の利益となる。

毎日20銭抜きながら、複利で運用させ、これを1年間続ければとんでもない利回りとなる。

 

1日2%の利益とは、スポット的には何ら難しい事ではありません。

かくいう私もその位の利益確定を1日で達成する事はしょっちゅうあります。

2%どころか、安全資金管理においても大きく勝つときは5%以上の利益が一日で出たりする事もありますね。

 

しかしながら、難しいのは、

「毎日漏れなく一定金額を稼ぐ」

という事なんです。

例え少ない利回りであっても、”毎日マイナスなし”延々と勝ち続ける”事はほぼ不可能に近い事なんですよ。

 

しかし、それは実際にFXに深く取り組んでみてわかる事であり、中途半端な認識のままでは、

「1日2%」

がそんな”離れ業には聞こえない”所がミソです。

 

「自分にもできそうかな」

と思えてしまう訳です。

 

龍聖、入塾する。

「10万円が1年で1000万円か~ すごいな!」

天真爛漫にそう感じた私は、

「Zさんが信じて入った所だし、俺も一緒に勉強したい!」

と思う様になりました。

 

塾はいくつかのコース別に分けられていました。
(今手元に当時の資料的なものはなにも残っていないので、記憶を振り絞って書いています)

確か、

  • 3カ月サポートコース
  • 6カ月サポートコース
  • 無期限サポートコース

とかだった様に記憶しています。

これ、無期限コースでも費用は7万円位と今思えばめちゃ良心的な価格だったんですよ。

私は当然の如く、7万円支払って入塾致しました。

とにかく、「7万円払った」という事は明確に記憶しています。

 

Z氏のサイトに集う人々、結構な数がフラワー投資塾に入った様です。

みんな、流行りものに飛びつく様な感じでしたね。

 

費用を払い込むと、テキストが送られてきます。

そこには基本のロジックについてなど、記載されていました。

見ると、酒田五法的な、ローソク足の動きを分析してエントリーする様な手法でしたね。

▼坂田五法とは・・・

酒田五法とは、本間宗久(1724~1803年)によって編み出された投資手法(トレード法)のこと。

およそ300年前ほどの昔(江戸時代)からあった技術というもんだから驚き。

「三山」「三川」「三空」「三兵」「三法」

などがある。

チャートの形状を分析し、値動きの傾向を取る手法。

プライスアクショントレードの元祖。

出典:酒田五法

 

テキストの解説を見ると、フムフムと納得のいく事が書かれてはありました。

目標利幅からロット数を算出する独自の計算式などもあり、

「なるほど~」

と思わざるを得なかったですね。

 

投資塾専用のサイトもあり、Z氏のコメントが日々寄せられていました。

ある日にはこんな書き込みも。

「塾長が一目均衡表の専門書を持っていました。私も以前から興味があったので、貸してもらう事になったのですが、その本は擦り切れてボロボロでした。一つの本に没頭して研究する塾長の姿勢に感動しました」

と。

 

私も、「お~。流石だなあ」と思いましたとも!

 

龍聖、スクーリングに出かける

入塾したので、私も福岡のフラワー塾長の元にスクーリングに行きました。

当方熊本で、お隣の県だったので割と近くで助かりました。

福岡市内に入り、目的地付近でかなり迷うも遅れてなんとか到着。

 

22億円トレーダーが住む家なので、でっかいお屋敷をイメージしていましたが、

意外にもマンションでした。

 

多少、「ん?」と思ったものの、

いやいや、あの最強の投資家、ウォーレン・バフェットでも質素な生活をしている事で有名です。

「お金持ち=豪邸」とは限らないんだと自己解決していました。

 

塾長の部屋に入る。

フラワー氏はずんぐりむっくりな感じで、

あまり敏腕トレーダーというオーラは感じませんでした。

 

すごく感じのいい奥さんがいた様に記憶しています。

印象深かったのは”お手伝いさん”がいて、トレード講義中も色々と家事などを熟していました。

家政婦でも雇っていたのかなあ。

 

塾長の部屋にはZ氏の姿が見当たらなったので、

「Zさんはどちらにいらっしゃるのですか?」

と聞くと、

「上でデモトレードやってますよ」

との事。

Z氏は塾長の真上の部屋を借り、住んでいる模様。

 

「後でご挨拶に伺いますね」

そんなやり取りから始まりながらも、FX講義は始まっていきました。

 

塾長の講義からZ氏の元へ

何気ないイントロダクションな会話から始まるも、いよいよ塾長による講義が始まります。

内容は、テキスト関係の確認的なものでした。

 

ロット計算の仕方や、利回り、パフォーマンスの話もアリの、

「僕は1週間に20%~30%ほど稼ぐ」

と言われ、感嘆の声も漏らしてしまった事を記憶しています。

 

決済の方法で、フィボナッチを使ったテクニックなども教えてもらいました。

当時、フィボナッチをあまり知らなかった自分にとっては目から鱗の話。

▼フィボナッチとは・・・

フィボナッチ比率に基づいて、価格の「支持帯」と「抵抗帯」を予測するテクニカル分析ツールの一つ。

相場における多くの値動きとして、トレンドが発生しても一直線に進み続けることは無く、必ず上下動しながら、上昇トレンド中の「押し目」と、下降トレンド中の「戻し」を形成する。

フィボナッチを使うことで、これがどこで発生するのか予測をするというもの。

出典:投資の教科書

 

1時間ほどの講義が終了。

色々と教えてもらい、当時筋金入りの情弱だった私は満足して塾長の部屋を後にする。

 

その後はZ氏の部屋を訪ねる。

Z氏は大柄な人で、背丈は180cm以上といった所か。

部屋には数人のトレーダーが集まっていた。

 

「今ユーロドルが凄い」

っていう話をしていた事を覚えています。

当時のユーロドルは上昇トレンドがイヤという程続いていたのです。

 

あれやこれやとFX談義を展開しながらも夕暮れ時になってきたので、名残惜しかったけど「塾長&Z氏の住むマンション」を後にしました。

 

そこの時点まで、私は何の不信感も抱いておらず、それはZ氏も同じだった様に思えます。

 

これは余談ですが、

塾長は、専門用語に関して独特の言い回しをしていました。

 

約定(やくじょう)の事を、

「やくてい」と言うのです。

 

その言い回しがあまりに気になった塾生から、

「どうして”やくてい”と言うのですか?」

という質問が来たという話です。

 

「僕は”やくじょう”という読み方があまり好きじゃないため、”やくてい”と言っています。それはどちらでもいいのですが、僕は”やくてい”と読みます。」

と動画講義で回答していたという、そんなひょんな事を思い出します(笑)

Z氏は、そんなフラワー氏の独特の言い回しまでも真似をしていたのです。

 

言い回しまでも真似てフラワー氏のトレーディングメソッドを身に付けたいと必死だったんでしょう。

 

しかし、それは気持ちは分かるけどそこまでしなくても・・・とは思いましたね(^^;)

だって、”やくてい”とは、”やくじょう”の誤読なんですから・・・

参考:goo辞書 -やくていとは-

 

と、必死で塾長の教えに食らいついていたZ氏。

そんな彼にも一つの変化が生じてきました。

次第に焦りの様子を見せ始めたのです。

 

続きは次回の話という事で、
第3話にご期待ください!

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